ふとした切っ掛けで数年前に発行された梅田望夫の「ウェブ進化論」をオーディオブックでiTuneからダウンロードした。5時間40分の大作で、しかも納得いかなかった様々な事柄の説明になり、とても感銘を受けた。

Noro1532009-06-06


10年前にベルギーから日本に戻った時、なぜ日本では普通の人々にインターネット(パソコン)が普及していないのだろうと不思議に思っていた。飲み屋をやっているので、沢山の人達にこの疑問を投げかけてみると「日本ではパソコンを売っても企業は儲からない(ほとんどの部品やソフトなどが外国製だから)、でも携帯は100%日本製だから携帯に力を入れている」という答えが返ってきて納得した。


もちろん私も携帯を手に入れ、暫く楽しんだ。だんだんつまらなくなり、数ヶ月前には「携帯からおさらば」した。代わりになるものがある(Skype)こと、日本の携帯が閉ざされていること。携帯会社の詐欺師のような販売方法が好きではないetc。普通のパソコンのインターネットは即世界に繋がっている。息子たちは外国にいるので、インターネットは必需品だ。


梅田さんはIT最先端の地シリコンバレーに居住し、時々日本へ戻ってくるので両国をとてもよく見ておられる。その中で、日本でインターネットというと「善悪なら悪、清濁なら濁、可能性よりは危険性が強調されている」としている。その理由は既存の企業を脅かす存在なので、マスコミは負の方を強調し、その結果一般の人々への普及には遅れをとってしまったようだ。これはとても残念なことだ。


私の周りでも仕事でパソコンやインターネットを使っていても、別の可能性(趣味や老後)のために「もっとパソコンを勉強しよう」という人は皆無だ。


私はベルギーでインターネットに出会い、パソコンを手に入れた。(16年前当時でも)もうこの「革命」のお陰で老後も世界中の人達と会話をし情報を得ることができ、退屈することはないだろう、とその可能性にドキドキしたものだ。仕事で使ったことはないので、100%趣味だ。でも知れば知るほどひとりで感激している。終わりのない勉強に益々情熱が入ってしまう。


ウェブ進化論」で沢山のことを学んだ。ウェブ2.0という言葉もそのひとつ。


最初の革命、ウェブ1.0は、マイクロソフトやアップル、アドビ、ネットスケープなどの出没と混沌としたインターネットのスーパーハイウェイ構想。例えば、マイクロソフトと(私も大好きだった)ネットスケープが攻防戦を繰り広げ、マイクロソフトネットスケープを完全に打ちのめしてしまった。それまでの普通の企業のようなやり方は、ソフトのスクリプトなどは極秘の会社の資産で、絶対に外へでないように守られていた。今でも数多くのIT企業がこの方法を使っている。


その後それまでは考えられなかった、LINUXに代表されるオープンソース(ソフトなどのスクリプトを解放すること)が普通になり、だれでもがそれを使うことができる。解放されたスクリプトを使い新しい別のものが作られ、自然増殖のように広がる。ハードウェアやインターネット接続の価格が下がり、無料で利用できるソフトやコンテンツが当たり前になった(チープ革命)。このようにだれでもがネットで表現できる時代に入り、本当の「革命」はこれから起こると言う。


私はそういう「オープンソース」を利用できる「向こう側」の人間ではない。リアルな世界「こちら側」でそういう新しいことに感動し、楽しむ側にいる。でも「向こう側」にいる人達、開発者たちの感動や情熱を一緒に楽しみたいと常々思っている。それには「新しいなにかの持つ意味」を理解しなければ感動も生まれて来ない。そのために日々少しでも前進したいと思っている。


《この「IT日記」は、何年も前にギブアップした「はてな」を知るために始めた。別テーマのブログなどはすでにやっているので、ここでは「IT系」のみに絞っている。今回初めて知ったが、梅田望夫氏はこのはてなの取締役だ!》


ウェブ進化論」をオーディオブック(音声で聞ける)で購入して解ったことは、「一石三鳥」になるということ。

  1. 外へ行かず、家に居ながら、その場で購入(ダウンロード)することができる。
  2. 紙の媒体ではないので、二酸化炭素排出量を削減し、地球環境に良い。自宅をより広く使える。
  3. マックとiPod Touch両方できける。音声なので他のこと、例えば家事をしながら、お風呂に入りながら(聞く)読むことができる。


ITの進化=地球環境により良い


普段紙の媒体はできるだけ買わないようにしているが、その代わりバーチャルな本棚を作れるサイトを発見した。これも「amazon.com」がソースコードをオープンにしているので、だれでもがこれを利用し全く別のものを作れるというとても良い例だと思う。


こういう光景が大好きだったアラカン世代としてはたまらない。本棚の素材なども選べるし、本が多くなったらいくつもの本棚を作れる。本棚に並べる本は「本を登録」をクリックして著者やタイトルから探す。その本の感想やノートを書いておける。これから読みたい本も置いておける。他に本棚を持っている人達と交流が生まれるかもしれないし、本の趣味がぴったり合っている人に遭遇するかもしれない。他の人の本棚も覗き見できる。プラスαとして、自分の本棚からだれかが本を選んで、アマゾン.comでその本を買うといくらかのバックマージンがくるというおまけもあるようだ。

オープンソース」になるとこのように最初の当事者アマゾン.comは想像もしなかった沢山のおもしろいものが生まれる。
地球環境を考えると、モノはできるだけバーチャルで楽しみたいと思う。


梅田さんのウェブ進化論では「既存権威の崩壊」「玉石混淆」「不特定多数無限大の力」がキーワードだが、次回へ