ITの世界では、日本でしか通用しない携帯のことをガラパゴス携帯、通称「ガラケー」というのだそうだ.日本が経済的に落ち込んで、その代わりに他のアジア、特に韓国や中国が世界経済に大きい影響を与えるようになった.どうしてなのか見直すと様々な分野で日本は世界に通用しないことがわかり、今日本はとても慌てている状況なのだ.

Noro1532010-06-01


私自身もそういう日本の第2の鎖国状態に耐えられなく、来週には日本から脱出する.2年前から計画していたのと、元々人生の半分は外国で生活していたから、この歳になっても日本の外の生活には抵抗がない.というか母が他界したことが切っ掛けで11年前に戻って来てからは、逆カルチャーショックで全くこの国の現状には馴染めなかった.(11年前に戻った当初から日本がどうしてこんなにIT後進国なのか不思議だった)


ガラパゴス携帯というのは、日本の携帯は外国では売れないというのが問題なのではなく(少なくとも消費者としては)、普通に使っている日本の携帯は外国で使用できないことに問題がある.世界中の普通の携帯電話は世界中で使える.その国に行ったらその国の安いsim cardを買って入れ替えれば安い料金で現地の携帯として使える.海外ローミングサービスというのは、すごく消費者を惑わせるサービスで通話料は高すぎて現実には全く使えない.という様々な理由で私は2年前から携帯を持っていない.


日本のガラパゴス化というのは、その分野の専門家たちがこぞって使っている言葉なので、一々理解するのは困難だ.しかし、私が一番深刻だと感じるのは「日本社会のガラパゴス化」だ.今までも日本に戻ってくると、何で世界が遠くに感じるのだろう、と不思議だった.一歩外へ行くと、例えば台湾や韓国でもそこは地球の一部で世界は近い.で、その理由は今ははっきりしている.終戦直後から「日本人を外にださないという一般の人々には見えない政策」があり、それが大成功したのだと思う.


私が知っている限り以下のようなことがある

  • 英語教育.日本人は英語は読めて書けるだけで良い.話せると外国へ行ってしまうから、という戦後の教育方針が書面であった.
  • 日本のメディアには「外国からの求人広告を出してはいけない」という法律がある.70年代後半に、実際に頼まれて、ベルギーの会社の求人広告を出そうとして「法律で禁止されている」ということを知った.
  • 高校や大学をでたらすぐに就職しないと良い就職口はない.若者が外の世界をみることを阻止している.
  • 日本(人)が特別に優秀であるということ、外国は怖いところということが刷り込まれてしまった.

多分、他にも様々な理由があると思うが「日本がすべて、日本が世界」というような思い込みが、日本人を内向きにしてしまったように感じる.

欧米では20年前ぐらいから「IT革命」が進行しているが、日本のエスタブリッシュメントはそれを阻止し続けているようにも思える.

この5ヶ月間、ほぼ完全引きこもりをやっている間に、日本にも沢山の人たちがそのような日本の状況を変えようと努力しているのが解った.自宅に引きこもってもネットに繋がったMacのお陰で世界とは相変わらず繋がっている.

そのトップに茂木健一郎さんがいる.Twitterでフォローし、ブログを読み、数日前からはUstreamのどこでもTV生中継をほんとうに楽しく拝見している.

私も茂木さんのように様々なソーシャルメディアを使いこなし、欧州からの情報を日本の人たちに伝えたいと考えている.ネットは物理的な場所は関係なく、人と人を繋げることを示したい.

このIT日記も「ITの進化」というのは、特に年齢が高い人々にとって最高のものだという思いから始めた.(iPadの発売で、日本の高齢者にもITが受け入れられるようになることを願っている)