ITの世界では、日本が「ガラパゴス化」していると言われる。そのガラパゴス列島からの脱出が私のテーマだ。私の「携帯おさらば作戦」は完了した。同時期に友人のアナログ中年おじさんが大決心をし、iPhoneに買い変えるというのを手伝い恐ろしいことが解ってきた。

Noro1532009-05-07


私がiPhoneを買わなかった理由は、5〜6ヶ月後には息子がいるベルギー(ヨーロッパ)へ移住するからだ。iPhoneを扱っている携帯会社SBは(最低)2年ごとの更新を義務付けている上、iPhoneに何らかの小細工をし、外国へ持っていっても使えないようにしている。(外国への短期間旅行の時に使うSBの海外ローミングサービスはSBのシステムで通話料も高額になる)日本以外で買うiPhoneは、世界中へ持って行ける。その国へ行ったら、その国の「sim card」に入換えその国の携帯として安く使える。iPhoneだけではなく、ほとんどの「携帯電話」はそうなっている。

昨年、ベルギーにいる息子やガールフレンド、他のベルギー人たちとタイのバンコクで落合った時、みんないとも簡単に自分の携帯電話の中を開けカードを入れ替えているのを見てびっくりした。私だけ日本で普通に使っている電話に何もできなくて携帯なしで通した。私の元夫は12年ほど前にベルギーで買ったGSMの携帯番号をそのまま未だにタイで使っている。それが高額になるならとっくにタイ用の携帯電話に変えているはずだ。


上記の「アナログ中年おじさん」、仮にSさんとしておく。Sさんは私より大分年下で一人暮らし、パソコンやインターネットもそこそこやるし携帯電話も普通に使いこなしている。私に影響されたことやテレビでの大々的な宣伝などに感化され、早速ひとりでSBの営業所へiPhoneを買いにいった。ところがとても不親切な店員に憤慨し、私に報告にきた。「まるで外国語を聞いているみたい」というSさんを説得し、一緒に別の店舗へ行くことにした。

  • まずSさんが10年近く使っていた携帯会社DCMを解約し、番号を変えないための「MNP番号」を取得。そのために約1万円の違約金を取られた。
  • 次にiPhoneを扱っているSBへ。宣伝ではゼロ円というのにそこの営業所では5千円(各営業所で個別に値段を設定しているそうだ)かかる。押し売りのように、必要ない「基本オプションパック」と「Wホワイト」に申込みをすれば、ゼロ円になるという。
  • その場で元の携帯から住所を移してはくれなく「サーバーにアップするので、ご自分で後ほどダウンロードしてもらう」という話。
  • iPhoneだと●●も使えません、■■も使えませんがよろしいですか?」というようにまるでiPhoneを売りたくないというのが丸見え。


このように最初から最後まで難しい言葉とだれにも分からないような複雑なシステムでまるで詐欺にあったように思う。Sさんには「私が責任を持って普通に使えるようにするから」と言っていたが、本当に日本の携帯会社は「てんぐ」になっているような気がする。日本で生活するならどうしてもDCM、AU、SB、かWilcomのどれかと関係しなければならない。私自身はとうとうそれから解放された。

ここまでで3時間以上使ってしまった。
翌日Sさんの家に行ってiPhoneとパソコン(私のきらいなWindowsだ)の設定をした。

iTuneをダウンロードし、アカウントを取得
サーバーにアップされている住所録をダウンロードするのにもらってきた説明の書類は全く役立たず・・・
Macのアカウント(私はファミリーパックなので余っているもの)を1つ開設
いくつかのiPhone用ソフトをダウンロード
もちろんSKYPEもダウンロードした(Wi-Fiがあるところではスカイプを使うよう使い方を説明したが・・)

Sさんもいっぺんに沢山の新しいことを知らなければいけないというものすごいストレスで、最後には「やはりドコモに変えてくる・・」ということになってしまったが・・・・


これでは普通の人達にiPhoneを広げることはできない。
SBのできるだけ複雑し、アナログ人間たちにわからない言葉で圧倒するというやり方はどうなの???
私が一見しただけで「詐欺」と思う宣伝も許されることではない(世界で通用する携帯電話etc)


Sさんだけではなく、私もなれないWindowsを触ってある程度のストレスを感じたが、Sさんは「家のパソコンは5年前に買ったので、古いから新しいパソコンを買う」という。しかもテレビショッピングで宣伝しているジャパネットTから買うと言う。私の提案はもちろんMacだが、Sさんのパソコンはまだ使えるパソコンだ。しばらくこれでも良いと思うのだが・・・

どうやったらSさんのような人達に「ITの世界」のすばらしさを伝えることができるのか・・・?